メールサーバとセキュリティ
サーバ構築

メールサーバの構築とセキュリティ

メールサーバの構築をすると、自社ドメインでのメールの送受信が可能になります。自社独自ドメインのメールアドレスはいまや企業活動を行う上では当たり前とされており、信用を得るためにも不可欠なものです。

しかしながら、メールの送受信はセキュリティ面において注意が必要であることも事実です。適切なセキュリティ対策を施していない場合、第三者からのメールの不正傍受やなりすましなどの被害にあうケースもあります。最悪のケースでは、自社のメールアドレスを利用してスパムメールの大量送信がなされることもあります。

今回の記事では、メールサーバの構築とセキュリティについて解説いたします。

▶目次

1、メールサーバ構築とは

メールサーバとセキュリティ

メールサーバについて解説いたします。

メールサーバの構築とは

メールサーバを構築すると、企業の独自のドメインでのメールアドレスの送受信が可能になります。メールの送受信を行うためには、gmailやyahooメールなどのフリーメールを使用するケースもありますが、独自ドメインに大してフリーメールは信用性が低く、場合によっては取引に使用できないケースもあります。

また、実務的なメリットを考えた場合でも、自社ドメインのメールの場合にはファイルの添付などが自由に行えるのに対して、フリーメールの場合は制限が生じたり、セキュリティに問題が生じたりするケースがあります。

メールサーバの構築には3つのサーバを設定する必要があります。3つのサーバとは、メールの送信と配送を行うSTMPサーバ、メールの受信を行うPOPサーバ、IPアドレスの住所を割り出すDNSサーバです。

STMPサーバ

STMPサーバはメールの送信と配送の際に利用するサーバです。
具体的には、PCから自社側のメールサーバまでのメールの送信、自社側のメールサーバから送信先のメールサーバまでの送信、そして受信時に自社側のメールサーバに届いたメールをメールボックスに格納するまでの働きをします。

STMPサーバを構築するには、専用のソフトウェアを使用します。最も多く利用されているのは、Postfixというソフトです。

POP3サーバ

メールボックスに格納されているメールを、IDとパスワードに基づいてPCで受けとる役割を果たすのがPOP3サーバです。POP3サーバには、私書箱のように一つひとつのメールアドレスに届けられたメールが保管されています。ユーザーは、メーラーなどを用いて、自身の都合でメールをPOPサーバまで取りに行くという形を取ります。

POP3サーバも専用のソフトウェアを使用して設定します。最も多く使用されているのは、Dovecotというソフトです。

DNSサーバ

DNSサーバはメール送受信のためだけのサーバというわけではありませんが、メール送信に不可欠なサーバです。具体的には、配送先のSMTPサーバのIPアドレスを確認する作業をDNSサーバが行います。

2、メールサーバのセキュリティ

メールサーバとセキュリティ

メールの送受信には、本来セキュリティリスクが非常に大きいということをご存知でしょうか?
システム的に、セキュリティ対策がなされていないメールは、簡単に第三者が傍受したり、改ざんしたりすることができます。そういったサイバー攻撃被害にあわないためのセキュリティ面について解説します。

メールの送受信がセキュリティ上危険である理由

外部とのメールの送受信は、サイバー攻撃をするポイントがたくさんあり、しかもファイアーウォールやセキュリティ機能付きのルータに守られた本体のデータサーバやPCよりもアクセスがしやすいという特徴があります。

メールを通じて、社内のネットワークに入り込むことができるので、メールを入口としてサイバー攻撃を仕掛けたり、メールを傍受して情報収集してから標的型攻撃を仕掛けたりする、といったケースが増えています。

まずは、メールの送受信には本来セキュリティ上のリスクがあるということを把握し、セキュリティ対策の重要性を把握することが重要です。

メールの暗号化

セキュリティを強化する一つの方法はメールの暗号化です。
TLSやSSLといった規格があります。TSLにはメールを暗号化して第三者から解読されにくくするだけではなく、メールの改ざんを知らせてくれる機能なども備わっています。

暗号化は複雑になればなるほど、傍受される危険性を下げることができますが、その分送信スピードが遅くなってしまいます。主に送受信を行うデータの重要性に合わせて、レベルを調整すると良いでしょう。

セキュリティ対策とスタッフ教育・研修

ユーザーが間違ってウイルスソフトをダウンロードしてしまったり、フィッシングサイトにアクセスしてしまったりしないようにウイルスチェックや、迷惑メールフィルタなどを導入しましょう。また、IPアドレスによって受信を許可するか否か設定する、といったことも可能です。

これらと併せて、スタッフ一人ひとりに対して、セキュリティに関する研修・教育を実施していくことが重要です。

3、まとめ

この記事では、メールサーバ(STMPサーバ・POP3サーバ・DNSサーバ)構築の概要とセキュリティに関して解説しています。

独自ドメインでメールを送受信するためにはメールサーバの構築が必要であり、そのためには3つのサーバの構築が必要です。メールの送信と配送を行うSTMPサーバ、メールの受信を行うPOPサーバ、IPアドレスの住所を割り出すDNSサーバです。専用のソフトウェアを使用して構築します。

メールの送受信には、セキュリティのリスクが伴いますので、暗号化やセキュリティソフトを活用しましょう。

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