ほとんどの企業では、企業内のネットワーク(社内LAN)と外部のインターネットの間にプロキシサーバを構築しています。プロキシサーバは一般の方々には耳慣れない言葉ですし、ビジネスでPCを使用している際には意識する必要がないものなので、あまり具体的なイメージがわかない方が多いのではないかと思います。
今回の記事では、プロキシサーバの概要やメリットについて紹介します。
▶目次
1、プロキシサーバとは
プロキシサーバとはどのようなものか、どういったメリットがあるのか、という点について解説します。プロキシサーバにはいくつか種類がありますが、特によく利用されているwebプロキシについて解説します。
プロキシサーバとは
プロキシサーバとは、社内PCの代理でインターネット接続を行うサーバPCのことを指します。
プロキシサーバは一般の方々には耳慣れない言葉だと思いますが、「代理」を意味します。社内LANとインターネットの間のファイアーウォールの部分にプロキシサーバは設置されます。
プロキシサーバを設置する理由
プロキシサーバを設置する理由は、第一に企業内のネットワークからWebサイトにアクセスをするためです。社内LANはファイアーウォールによって外部の悪意あるアクセスから保護されています。しかし、そのため外部のインターネットにアクセスすることができません。間にプロキシサーバを設定し、橋渡しをすることによって、社内ネットワークとインターネットのアクセスが可能になります。
また、プロキシサーバを設置することは、いくつかのメリットもあります。
プロキシサーバ設置のメリット
プロキシサーバを設置することは、以下のメリットがあります。特に、セキュリティ面でのメリットは、企業にとって非常に重要性が高いので、近年の情勢を考えるとプロキシサーバの構築は不可欠と言えるでしょう。
- 匿名性の確保(PCのIPアドレスを隠せる)
- キャッシング
- フィルタリング
- ユーザー認証
Webサーバにアクセスする際に、接続先にIPアドレスなどのプライベート情報が伝わります。プロキシサーバを経由して、インターネットにアクセスした場合には、webサーバにはクライアントPCのIPアドレスではなく、プロキシサーバPCのIPアドレスが伝わります。個々のクライアント情報を公開せずにアクセスできますので、内部の匿名性を確保し、特定の攻撃を受けるリスクを低減できます。
プロキシサーバには、キャッシング機能がついています。キャッシング機能とは、サーバPC内に、一度アクセスしたWebページの情報を一時的に貯めておく(保管しておく)ことです。次回、同じサイトにアクセスする際に、プロキシサーバのキャッシング情報から公開するので、高速での開示が可能になります。キャッシングは、ネットワーク上の全ユーザー分について行います。
プロキシサーバでは、特定のurlをアクセス禁止に設定することができます。不適切なサイトへのアクセスを制限することが可能です。また、外部から受信したデータのウイルスチェック機能も実装しています。
ユーザー認証機能を実装し、特定のユーザーのみ外部へのインターネットアクセスを許可することも可能です。
2、プロキシサーバの注意点
プロキシサーバの注意点について紹介します。
速度の低下を招く可能性がある
中継器としてプロキシサーバを挟むことで、インターネットアクセスの速度の低下を招いてしまう可能性があります。これを回避するための方法としては、大容量のキャッシュデータを保存し、活用することです。
プロキシサーバの悪用に注意する
自社のネットワークセキュリティを考える際に、サイバー攻撃者のプロキシサーバの悪用に注意し、対策が必要となるケースがあります。
つまり、サイバー攻撃をした者がプロキシサーバを経由してアクセスを行っていた場合、匿名性によって本人の特定が困難になるからです。特に匿名プロキシといって、IPアドレスを通知しないプロキシサービスの場合にはさらに匿名性が高まります。
特に掲示板など、犯罪につながるリスクのあるサイトを公開している場合などは、匿名プロキシからのアクセスを制限するなどの対策を施して、セキュリティを高める必要があります。
3、まとめ
この記事では、企業内のネットワークとインターネットの中継としてだけでなくセキュリティ面でも効果のあるプロキシサーバ構築について解説しています。
プロキシサーバを設置するメリットは、匿名性を確保できること、キャッシング機能があり一度訪問したサイトに高速でアクセスできること、フィルタリング機能やアクセス制限機能によって安全性を向上させられること、があります。特に匿名性に関しては、外部からのサイバー攻撃のリスクを低減する意味で大きな意味があります。
注意点としては、悪意あるユーザーのプロキシサーバの悪用に気を付けましょう。